認定血液の対策を真剣に考察する
こんにちは、白湯です。
このたび認定血液検査技師に合格しました。
Twitterで報告したところ試験対策について複数お問い合わせをいただきましたので、私なりの対策法をまとめてみます。
あくまで私個人の考えですので、ご参考までに。
主な使用テキストは
スタンダード検査血液学
(以下「スタンダード」)
血液形態アトラス
(以下「アトラス」)
です。
普段の業務にも有用な良著です。持っていて損はないでしょう。
試験は大きく3つのパートに分かれます。
- 専門知識試験
- 細胞識別試験
- 症例解析試験
1つずつ概要と対策を書いていきます。
【1. 専門知識試験】
いわゆる筆記試験。マークシート式。
「スタンダード」の巻末に過去問があるので、それを解いて分からない部分を本文で勉強するのが効率良いと思います。
ただし「スタンダード」掲載分で本番そのまま出題されたのは体感で2割くらいでした。
過去問になくても重要そうな部分は理解しておく必要があります。
検査血液学会誌に過去問が掲載してあることもあるので、そちらもチェックすると良いでしょう。
基礎固めとしては二級血液の過去問も有用でした。
【2. 細胞識別試験】
細胞の画像が提示されて名称を回答します。
基本的な細胞ばかりでしたので、変に深読みしなければ問題ないと思います。
ただし回答は手書きで、誤字脱字ひらがな表記は減点になります。正式名称を正しく書く練習はしておきましょう。
【3. 症例解析試験】
おそらく試験対策の需要が一番ありそうなパート。
標本の鏡検動画を見て①形態所見、②推測される疾患、③追加検査と予想される結果 を記述します。
動画のサンプルが「スタンダード」に掲載されていますので、事前に確認しておきましょう。
ただし私の受験時(2021年度)は動画ではなく、画像を印刷した冊子が各受験者に配られる形式でした。ラッキーでしたね。
対策は①→②、②→③の2段階に分けられます。
②→③は「スタンダード」や「アトラス」に記載してある疾患と検査所見を覚えればほぼ大丈夫だと思います。
表面マーカーや遺伝子染色体検査は押さえておきたいところですね。
問題形式から、形態所見(と多少のラボデータ)だけで疾患の推測ができるものしか出題されないはずなので、覚えるべき疾患は自ずと絞られてくるでしょう。
①→②に関してですが、普段から骨髄像の報告書を書いている人は業務の延長でどうにかなると思います。手書きで書く練習をしておけば後は大丈夫です。
骨髄検査や血液疾患の鏡検に馴染みのない人は、ここが一番ハードルが高いかもしれません。
そういう方はまず形態所見を言語化するトレーニングをしてみましょう。
たとえ疾患が分からなくても、形態所見が正確に記述できていれば部分点がもらえると思います。
また形態所見が取れるようになれば疾患ごとの形態学的特徴も理解出来てくるでしょうし。
トレーニング法ですが、検査血液学会が配布している骨髄像報告書様式を使用すると良いです。認定骨髄検査技師試験用として学会サイトで公開されています。
標本があれば実際に鏡検しながら記入してみましょう。事前に症例提示のある研修会等を活用するのもアリですね。
ベックマンコールター社が公開している「血液形態自習塾」も有用かと思います。
①→②はどうしても経験値がものを言う部分になります。骨髄像や血液疾患の経験があまりない方は早めの対策をおすすめします。
とりあえず以上です。参考になれば幸いです。
受験される皆様の御健闘をお祈りしております。